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英会話を始めて1年弱で辞めた

Published: at 17:27

少し長くなってしまったがその経緯をまとめた。

大学院卒業時点

英会話に通い始める (社会人1年目)

漠然と英語をやらねばという気持ちがあったため、会社で流行っていた? マンツーマン英会話 Gaba になんとなく投資してみることにした。会社が法人契約をしていて入会費用が無料になったり、部署の制度で補助が多少もらえた。とはいえ分割で毎月7万ぐらい支払っていて、社会人になって増えた経済的余裕はこれによって破壊され続けた。

英会話3ヶ月経過

最初の3ヶ月プランが切れたので6ヶ月プランで再契約した。

アメリカ出張

ちょうど仕事でアメリカに行く機会があった。英会話をやっていたので多少は自信がついていた。しかしこれが転機になった。一対一の会話でまず発音が結構通じない。そして全然聞き取れない。英会話はぬるま湯なのだ。よく考えればそれはそうだ。客がすぐさまモチベーションを失って退会してしまうのでは困る。それは一概に悪いとは思わない。しかしこのまま (今の) 英会話に通っても自分が求める結果は出ないことに確信を持った。本当はそんな当たり前のこと知っていた。高い金を払ってマンツーマンで質のいいレッスンを受けようが、レッスン以外の時間も能動的に英語と向き合わなければ上達しないことは。現地で打ちのめされたことによって、長い間目を背けていたその事実に、ようやく向き合うことができた。

目標再考

自分の目標とはなんなのか。ネイティブと普通に普通の会話がしてみたい。これに尽きるのだが、曖昧だしやや高すぎる目標のように客観的には見えた。自分からみるととにかく英語はクールなのだ。このクールは真剣にかっこいいの意だ。漠然と英語に憧れがある。特に会話。世界で通じる言語としてビジネス上習得価値があるのももちろんあるがそれはただの体のいい目標だ。 英語学習の話をすると、技術が発達すれば不要説を返してくる人が結構いる。私は技術は発達してほしいし、翻訳こんにゃくは今すぐ完成してほしいという立場だ。あと何年で自然なリアルタイム翻訳が可能になるか、自分は専門ではないのであまり分からないが、数年はかかると見積もってもいいだろう。その数年で、英語が原因でチャンスを諦める可能性は全く無いのか?自分は大いにあると思った。

英会話1年弱経過 (社会人二年目)

レッスン中に自然なフレーズを一口で喋れることがあると嬉しかった。しかしすでに英会話に通うモチベーションはほとんど失っていた。月謝が高いのも大きく影響した。マンツーマンなので、グッと力を入れて教室まで足を運ばなければならないのは、通い始めて1年弱経過、億劫になってもいた。残り1ヶ月レッスンの有効期限があるが、その期限を持って退会することにした。

英会話で得た一番大きいものはリスニング向上とアウトプット瞬発力の向上だった。どちらも著しく向上したとはいえないが。リスニングについては、自分は講師を固定していなかったため、バックグラウンドによる喋りの違いを肌を自身で感じることができた。相手の講師の出身国を挙げると、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、インド、フィリピン、オーストラリアなど。訛った英語 (日本で教育を受けるとアメリカ英語以外はすべて訛っていると思うようになる) は訛っていない英語よりやはり聞き取りにくいが、なんというかこう諦めずに聞けるようになったし以前より聞き取れるようになったと思う。これは経験値の問題。あとは初対面でもこういう英語が来そうという心構えができるようになりこれは会話の理解の初速に大きく影響した。とはいえインド英語は難しい。 次にアウトプットの瞬発力について。これまでの受験勉強なりなんなりによって、時間をかけて文法的に正しい (が英語話者からすると不自然な) 文章を書く能力はあった。しかし喋るのは全然だめ。なぜなら必要なのは会話だからだ。よく英語学習の話で耳にする「脳内で日本語を英語に変換するな」という文句があるが、まさにこれをやっていたのだ。好きな食べ物を聞きたいとして、まず「もの」だから What がくる、相手は you なので what do you like … なんか変だな?みたいな感じだ、おそらく。それが今では、0.1秒とたたずに What’s your favorite food? と脳内で再生できる。つまるところ単語レベルで翻訳するのではなく、もっとまとまった単位で高いレイヤーでのマッピングができている。もちろんこれは自分がすでに出会っていてかつ自分のものにしている場合のみ。これも同様に経験がものを言うと思うが、それ以上に、会話中に脳内で日本語を分解して英語に翻訳する作業はまったくもって速度が足りずどんなに頑張っても無理そうなことに気づけたことが大きい。そういうやり方では本当にだめなのだと。脳内翻訳ではだめで、脳内にあるイメージを英語にマッピングする訓練が必要。そのためにマッピングをとにかく増やすことが不可欠。

発音矯正

この頃は発音に興味を持っていた。日本語には L や R に相当する音は無い程度の知識しかなかったが、本当にそれだけが日本人の英語発音の障壁なのかという疑問があった。YouTube や Web の文献で、母音がたくさんあることをしった。学校では教えてくれなかったものだ。自分が発音するときは母音を意識して、例えば but, bad, bot を区別しようとした。日本人が聴いたらすべて「ア」で片付いてしまうような音がある。R は別に舌を巻いて発音する必要がないことも知った。英語耳という本も購入したが、Web で得られた以上の知見はほぼなかった。何度か練習すると自分の耳ではまあ区別できて発音できている気がした。改めてネイティブの発音を聞くと、確かに違いが分かることがあり嬉しかった。

英会話をやめて (今)

英会話を1年弱やってみて最も良かったことは、自分は英語が苦手だが好きであると気づいたことかもしれない。なので英語の学習は別の形で継続する。

当面の目標

独学で

これが最も重要なこと。ひねくれているのでユーチューバーに感化されたとか全然書きたくないのだが実際そういう側面もあった。日本人だけどそれなりに英語ができ、かつユーチューバーとなり日本人にむけて英語学習を啓蒙している人は山ほどいる。その中で、海外留学を一切せずにそれを感じさせないレベルの人も少なからずいる。現地に住み生きた英語に触れまくることは私はかなり効果的だと思う一方、現地に何年も住んだ経験があるのに英語力が向上しない日本人は少なからず存在する事実から目を背けてはいけない。英会話に通うだけでは上達しないことと本質的には同じことだと思う。自分は主に独学で英語学習をしていくことに決めた。自分はプログラミングとかパソコンも好きだけど、英語もそれにやや劣りはするが結構好きだ。モチベーションは低くない。昔は生きた英語に触れるためには現地に行くことが一番だったかもしれないが、最近はたくさんの別の道があると思う。

生きた英語だけをインプットする

とにかく生きた英語に触れること、そして音読することを心がけた。GitHub の issue コメントなど、ネイティブ以外が扱う英語を目にする機会はよくある。特に日本人が書く英語。耳にする機会はそんなにないと思うが。そういう英語は生きていないとみなし、自分の英語学習過程において一切無視することにした。ここまでの学習や経験で、「あ、これは日本人が書きそうな文だな」という感覚は確かにある。そしてそれはほぼ間違いなく不自然な英語だ。これは自戒でもある。まだ明確に言語化できていないが、日本人が書きそうな英語とは、必要のない受身形・間違った前置詞・イディオムが一切登場しない・主語がいつも人間 とかそういうものを指している。あっこれは日本人英語っぽい!と思ったらすぐさまそれを読むだけでそこから一切何も吸収しないというスイッチを入れる。音読もしない。義務教育で身に染み付いたこの不自然な英語を体からすべて排出しなければならない。 逆に生きた英語とは、あっこれは英語っぽい!と自分が純粋に思うものである。生きた英語を見つけたらできるだけ吸収しようとする。音読もする。この感覚を十分に説明できているとは思わないが、それがある程度正しいと自分では確信している。英語らしい英語は英語らしいのだ。

一対一対応で覚えない

この英語なんて意味だろうと思ったとき、だいたい Chrome か Safari の検索バーにその英語を突っ込むようにしていた。紙の辞書を引く必要がないし電子辞書を引く必要もない時代で良かった。 ある日突然、「word 意味」とググってる時点でかなりお終いなことに気付いた。そもそも言語は必ずしも一対一で対応しないので、単一の日本語だけ覚えると応用が全く効かないしあとで困る。いや実際自分が困っているのだが。phrasal verbs とかは特に一対一対応では全然覚えられないので困る。正しいクエリは “word definition” で、Google dictionary なら意味と類義語と例文が載っているのでそれをインプットするだけで必要十分である。自分で英語をアウトプットしようとした時、この英語フレーズが出てきたけど果たしてこれは生きたやつだっけ?というときはそれをそのままクエリして Google 先生の反応を伺う。Twitter で検索するのもたまにやる。

とにかく音読

自分が声を出せる時と場所、つまり自宅にいるときは、なんとなく英語を音読するようにしている。音読は黙読より遅いので、すべてを音読しているわけではない。ここで気をつけなければならないのが、自分の喋り方に癖がついてしまわないようにすることである。誰しも癖はあると思うが、第二言語として英語を学ぶ者は可能な限り癖がないほうが良しとされることは一概に同意を得られると思う。自分の喋りを正しく矯正する必要がある。そのために必要なこととして自分が考えていることは、生きた英語を聞くことがまず1つ目。これは適当に YouTube でネイティブが英語学習者に向けたビデオを探して聞いている。EnglishAnyone というチャンネルで喋っている人の英語がかなり綺麗なアメリカ英語だと思ったのでよくこれを見ている。 次にシャドウイング。正直にいってシャドウイングは難しいし、始めたての人はほとんどシャドウイングができているとは言えないと思う。でもやるのだ。そのうちなんとなくできてくる。ネイティブの子供が英語を学ぶ気持ちになってみる。発音というくくりを超えて、リズムやイントネーション、そして音の連結も身につく。聞きながら喋らないといけないので脳内の英語保持バッファが広がっていく。教材は適当に BBC Learning English などを選んだ。自分はアメリカ英語のほうが好みらしいので、アメリカ英語でもっといい教材があれば知りたい。このように癖がつかないよう気をつけていれば音読はやればやるだけ効果的だと私は思う。

丸暗記しない

英語フレーズをとにかく丸暗記することも考えた。しかし最終的に努力に対して汎用性が見合わないと思ったのとモチベーションが続かなかったのでやめた。丸暗記しなくても、何度も口にしたり目にしたフレーズは自然と脳にかすかに残るようになることは自分の経験から自信を持って言える。かすかな状態でそれを思い出す努力をしていれば定着していくだろうという期待も十分ある。

英語字幕でアニメを見る

dアニメストアを解約して crunchyroll の会員になってそこでアニメを見るようにした。見入っていると英語字幕は普通に目に入らなくなることもあるが、軽く口を動かしてみたりしながらアニメを見ている。アニメを見るのは好きだし人生で最も長期間継続している趣味 (趣味?) なので継続が極めて簡単。

継続的に

あとはとにかく継続することが必要だと思ったので、最低毎日 JAPANTODAY の記事を何個かコメント込みで読む (私は国内ニュースさえ見ない、そしてそれがたまに困るので) のと、eslyes.com の文章を聞いたあとディクテーションしてシャドウイングすることをやっている。いまのところ続いている。

まとめ

こんな感じで自発的にかつ継続する形でやっていきたいと思う。こうして公開したことも良いプレッシャーにして、また変化があったら記事を書きたい。